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スペシャルインタビュー

インタビュー 第6回 小日向しえさん vol.2

Date:2013.04.30

 ふたりの男の子の子育ても落ち着きはじめ、仕事を再開! その背景にはこんなエピソードがありました。



 「23歳で結婚したときに、仕事をセーブしてほしいと言われたわけではないのですが、どっちもというのは私にはできないなと思ったので、自然とセーブしていました。なので、仕事を再開するときはリハビリ感覚。仕事に対する感覚も呼び戻さないとと思いましたし、子どもに寂しい思いをさせるのも嫌だったので、最初は月に1~2日程度から。

 特にお兄ちゃんは、分からないことが嫌みたいなんです。どうしてママが外に行っちゃうのか、仕事って何!?と思うことが不安に繋がるので、ママがどんなことをしているかを伝えるために、あまり時間がかからないナレーションの仕事とか、子どもを連れて行っても可能な仕事に一緒に行って、私が働く姿を見せたりしました。今では、『今日は雑誌の撮影に行ってくるね』と言うと、前に見たことがあるあれだなと理解して、『いってらっしゃい!』と送り出してくれます。子どもの性格を理解して、不安をきちんと取り除くことは意識してやっていますね。

 私がいないときは母がサポートしてくれているのですが、ご飯を用意して出かけたときは、『今日はお母さんがハンバーグを作ってくれたよ~』と、子どもたちに言ってくれていたみたいで。帰宅したら『おいしかったよ~』と言ってくれたり。その場にはいなかったんだけど、親の存在を感じながら過ごせているのかなと」


 パパが忙しく働いているからこそ、小日向さんが積極的にコミュニケーションをとっているという関係性がとても印象的。


 「私は現実的なことしか言えなくて、子ども向けに言葉を選んで伝えるということができないんです。我が家のパパが他のお家のパパより家にいないのは、仕事を頑張っているからだよと、あなたたちが食べているお菓子もパパが働いているから食べられるんだよと。仕事ってそういうことよって(笑)。『お菓子食べられないのは困る~』って言っているので、パパが仕事でお家にいないことはそれなりに理解しているのだと思います。


 パパがあまり家にいない分、私はなるべくいようと思っていたのですが、次男が幼稚園に入るときにお兄ちゃんに言われたんです。『弟も幼稚園に入るんだし、働いてもいいんじゃない』って。『大丈夫なの!?』って言うと、『いいよ。何かあったら俺が見とくから。仕事もしたいんだったらいいんじゃない!?』って。『じゃママ、仕事増やしちゃうよ』と言うと『いいよ。いいよ!』って。現実的なことばっかり言っていたら、なんだか大人になっちゃいました(笑)」


 ママと息子のコミュニケーションはばっちり! では、仕事で忙しいパパとのコミュニケーションはどうなのでしょうか!?

「息子たちはパパが大好きなんですよ。仕事が休みのときは、男3人で公園に行ったり、映画を観にいったりしていますね。パパ的には仕事で疲れているから休みたい気持ちもあると思うんですけど、頑張って遊んでくれています。

 忙しいと距離を感じることもあると思うのですが、そんなふうに感じてほしくないので最新情報は常にメールで連絡をしたりしています。息子たちが寝る時間までに帰ってこれないときは、今日の出来事を送ったり。お兄ちゃんは手紙を書いてテーブル置いたりしていますよ。朝起きたらパパからの返事が書いてあるので、交換日記みたいな感じです。


 忙しいからといってパパが仲間はずれになるのは、私自身も損することが多いと思うんです。パパからきちんと言い聞かせてほしいときとかに、情報がないと『俺に言われても分かんないから』ってなるのも困る。そうすると、どんどん子どもとの距離ができちゃうので、育児の面で父親が置いてきぼりにならないように気をつけています。


 お兄ちゃんが誕生したとき、あまり子どもに触れようとしなかったので、なんでだろうって思ったんです。でもそれは、育児をやらないということではなく、やり方が分からないんだなと気づいて。じゃ、私が教えればいいと。教えたことで必要だと感じたら吸収するし、必要ではないと思ったら忘れちゃう。それでいいと思うんですけど、育児には参加してほしいので、成長の過程とか、こんなことがあったとか、1日の出来事はどんどん話してましたし、話せないときはメールで送っていました。なんで育児をしてくれないのと思うと私もストレスになっちゃうけど、しないんじゃなくて分からないんだということに気づいたら、やり方が見つかりました。この気づきはとても大きかったです。なんで私ばっかり大変な思いをしなきゃならないんだという気持ちが、分からないんだったら出来ないよねって。気持ちがすごく軽くなりました。

 自分のやれるときにやるっていうパパの性格も理解したうえで、バランスを考えながら、パパの負担にならないように、私の負担にもならないようにと。今は、なにごともパパが決めていると見せつつ、裏で私が調整しているという図式です。『パパが我が家の総監督ですよ~』と言いながら、私が総監督と思っています(笑)」


 女の子のママも経験してみたいと思っているそうですが!?

 「はい。女の子もほしいです。本当は4人ぐらいほしい! 次男が誕生したときに、早く大きくなって~と思っていたのですが、大きくなったらなったで寂しい部分もあり......。ペネロペじゃないですけど、女の子が産まれる妄想をしています(笑)。かわいい洋服を着せたいなとか、きっと家族みんなで溺愛するから、わがまま娘に育っちゃうなとか。でも、パパからは『ふたりで十分』と言われています。お兄ちゃんも嫌みたい。『弟で手いっぱい。もう手伝えないって』。自分が世話をしなきゃいけないと思っているみたいで(笑)。でも弟は、自分よりも小さい子をかわいがるブームがきていて、友達の赤ちゃんの頭をなでてあげたり、おもちゃを渡したりしています。だから、このタイミングで赤ちゃんが出来たらいいんじゃないのって思っているんですけど、まだ家族の賛同は得られていません(笑)。

 次男が幼稚園に入って、久しぶりにひとりの時間が持てるようになったので、しばらくはゆっくりした時間を楽しもうと思っています」

 育児がひと段落した小日向さんの周りには、これから出産を控えている友達がいるのだとか。その赤ちゃんの"世話焼きおばさん"になることを楽しみにしているとも話してくれました。




Profile
1979年10月8日生まれ。東京都出身。ファッション雑誌でモデルデビュー後、ミュージシャン、女優など幅広い分野で活躍。プライベートではバラエティ番組で共演したことをきっかけに出会った、お笑いコンビ・ココリコの田中直樹さんと2003年に結婚。現在は8歳と5歳の男の子のママ。
http://www.spacecraft.co.jp/kohinata_shie/
http://twitter.com/sie_kohinata

撮影/田中秀典