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スペシャルインタビュー

アニメスペシャルインタビュー 白組 河村友宏さん Vol.2

Date:2013.08.21

 前回に引き続き、アニメーション「うっかりペネロペ」の演出を担当している、河村友宏さんに、アニメーション制作の舞台裏を語っていただきます。

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「うっかりペネロペ」は、キャラクターが立体的に動く3Dアニメーション。絵本のキャラクターに動作をつける難しさはどういうところなのでしょうか。

 

「まずは、アニメーションにするにあたって、キャラクターを動かしやすいようにキャラクターデザインを作り直します。ペネロペは3Dアニメなので、立体的に動かすための骨組みが難しいのですが、骨組み自体は、前任者が組み立ててくれていたので、私の演出家としての仕事は、それを引き継ぐところからはじまりました。

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 本来なら、ペネロペが斜め横を向いたら片目は見えなくなりますよね。でもペネロペを3Dで動かすときは、自然なかたちで両目が見えているように調節します。またペネロペが真横を向いたら、目が鼻と耳の間にあるようにします。これはペネロペならではのルール。引き継ぎ当初は、キャラクターの動作をつけていくときに、気をつけなければならないルールを覚えるのに苦労しました。

 

 さらに、第1シリーズが放送されてから約7年の月日が流れているので、3Dアニメの肝となる骨組みを作ったコンピューターシステムが古くなっていたんです。それを最新のシステムにバージョンアップすれば使いやすくなると思いきや、当時使っていたシステムが最新版には入っていなかったりして、そのまま使おうと思っても使えないという困った状況になったのです。それを解消するために、新たに置き換えられるシステムを探したりして、今までのプログラムを再構築することが、新シリーズを制作するための第1ミッションでしたね。

「よし、準備が整った!」と思って制作に入ると、違うトラブルが起きたり(笑)。柔らかいタッチのアニメの映像を作っている現場なのに、意外とシステマチックなお堅い作業が多かったりします。ただ、ペネロペは見ているだけで癒されるので、大変な作業をしていても自然と笑顔がこぼれたりします。制作スタッフもペネロペのファンなんですよ。中には、「うっかりペネロペ」のアニメーションが作りたくて入社してきたスタッフがいるぐらいです!」

 

 そのCG作業に入る前にも、さまざまな準備があるそうです。

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「まずは、文章で書かれたシナリオにそって、放送時間に収まるように手書きでキャラクターの動きやストーリー展開を絵と文章で説明する絵コンテを作成します。その絵コンテをパソコンに取り込んで映像のように動かし、放送時間内におさまるか、ストーリー展開などの確認を行います。これはビデオコンテという作業です。このビデオコンテが終わったら、CG作業に入ります。

 

専用のシステムを使用して、キャラクターの動きや背景などを組み立てたら、放送されるアニメ映像が完成します。

 

 ペネロペは、短編アニメ、3Dアニメの難しさがあります。限られた時間内でペネロペのかわいらしさやストーリーが持つメッセージを伝えなくてはいけません。さらにキャラクターが3Dで動くので、動きに間違いがないように骨組みを緻密に構築する必要があります。

いろんな難しさを乗り越えて放送を迎えたので、第1話の放送を観たときは感動しましたし、新しい世代の子どもたちが観てくれていると思うと嬉しいですね。

 

制作スタッフの中には幼稚園に通う子どもを持つ親もいて、そのスタッフのもとには、ママ友から、愛用しているペネロペグッズの写真が届いたりするみたいなんです。そんなエピソードを耳にするのも嬉しいことのひとつです」

 

 

「ペネロペは、子どもだけではなくて、ママたちにも人気があるみたいで嬉しいですね」と笑顔の河村さんは、鼻歌が流れる「ペネロペとおつきさま」の放送を楽しみにしているそうです。

 

 

※「ペネロペとおつきさま」は、9月10日(火)放送予定です。

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Profile
桑沢デザイン研究所を卒業後、アニメーションや実写映画の企画・制作会社「白組」に入社。新シリーズより、「うっかりペネロペ」の演出を務めている。

http://www.shirogumi.com/