フレンチスタイル
花のある生活 Vol.1
Date:2013.05.22
実は......フランス人は、花を生活に取り入れるのが上手! 今回は、どのように花を取り入れているのか、花のある生活スタイルを取材してきました。
誕生日はもちろんのこと、友人の家でのディナーに呼ばれたときや、一輪売りのキレイな花を見つけたときなど、とても頻繁に花を贈りあっているフランス人にとって、花と生活は切っても切れない関係なのです。
友人の誕生日パーティーに参加すると、ゲストのほとんどがブーケを持参するため、会場が花で埋め尽くされるという素敵なハプニングが起きてしまうほどです。
日本では、誕生日や母の日など、特別な日に贈ることが多いと思いますが、フランスでは日常的に取り入れるもの。花が1本もない家はないと言っても過言ではありません。
パリは小さな街なので、一軒家ではなく、大多数の人がアパルトマンに住んでいますが、その窓には色とりどりの花が飾られています。
プランターを下げていたり、バルコニーに植物の鉢を置いて小さな庭園風にアレンジしたり、アパルトマンの中庭部分に大きな鉢植えを置いたりと、生活の中に自然と花が溶け込んでいるのです。
では、実際に花がある生活をのぞいてみましょう! パリのアパルトマンとパリ郊外にある一軒家にお邪魔してきました。
CASE1
パリのアパルトマンに住むジュリーの場合
バルコニーがない家に住んでいるジュリーは、窓に植物のプランターを置いて育てるスタイルで取り入れています。ハーブがメインで、そのほかにカラフルな小さな花を育てています。
以前は、育てていたヴェルヴェンヌ(フランスではとてもポピュラーなハーブ)を使って、家に遊びに来た友人に自家製ハーブティーを振舞っていたそうですが、春のバカンスで3週間家を空けていたときに、すべて枯れてしまったのだそう。
年に数回の長期バカンスがあるフランスでは、花や緑を手入れするのは大変だと思うのですが、ジュリーは「緑のない生活なんてありえない!息がつまっちゃう」とのこと。
ジュリー行きつけの花屋は、パリから約40分離れた実家近くにある店なのだとか。パリにもたくさんの花屋はありますが、実家近くにある花屋は郊外型の大型店舗で、種類も豊富なうえ手頃な値段で購入できるとあって、実家に寄るたびに足を伸ばしているそうです。
郊外型の店舗はとにかく規模が大きく、まるで植物園! ジュリーいわく「訪れるだけでとても癒されるの」。
ケース2
パリ郊外一軒家に住むソフィーとローラの場合
パリは人口過密で一軒家に住むことは難しいですが、市内を少し出ると一気に一軒家の割合が増えます。ソフィーとローラも、パリ中心地を走るメトロの最終駅近くの一軒家に住んでいます。
日本でもシェアハウスという住居スタイルが広まってきていますが、ソフィーとローラの場合は少し特殊。このふたりがシェアしているのはなんと中庭! ひとつの敷地内に中庭を挟んでふたつの家が建っています。門をくぐって手前がソフィー。ソフィーの家を通り抜けた奥にある離れのような家がローラの家。
ふたりは共有している中庭部分に大きな木や彩り豊かな花を置いています。その中心には木のテーブルとベンチが置かれていて、気候がいい春先から秋口は友人たちを招いてパーティーを楽しんでいるそうです。
ローラの飼い猫が屋根の上で青空をバックにひなたぼっこをしていたり......とてものどかな中庭は、ふたりのお気に入りの場所でもあります。
中庭だけではなく、ソフィーの家の中も植物がいっぱい! 中庭へと続くガラスのドアの上にも植物の鉢が並び、そこを通るたびに深呼吸したくなるほどのすがすがしさがあります。ソフィーいわく、「パリの中心までメトロで15分ほどだし、少し市内を離れただけでこんなにフレッシュな家に住めるのよ。仕事にも影響がない距離間だし、パリ市内のアパートより全然いいわ」とのこと。
偶然、取材日に遊びに来ていたソフィーの友人である、メイクアップアーティストのアメリーも、「自然のないパリのアパルトマンより、こうやって庭のある家をシェアしたいわ。パリってすごく素敵な街だけど、私の出身地であるストラスブールのように自然があふれているほうがやっぱり落ち着くもの」と、今にも物件を探し出しそうな勢いでした。
緑が少ない都会の生活から、緑の癒しを求めて郊外に居を構えるのは、フランスでも日本でも同じようです。
次回はパリで人気の花屋を紹介します。