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スペシャルインタビュー

インタビュー 第4回 佐藤弘道さん Vol.2

Date:2012.12.18

 前回に引き続き、佐藤弘道さんの登場です。ふたりのお子さんが幼かった頃、とても厳しくしつけていたことがあるそうです。それは食事に関するしつけ。あまりの厳しさにパパとご飯を食べるのを嫌がっていた時期があったのだとか。



「そうですね。厳しくしすぎたかなと反省している部分もあります。特にお箸の持ち方やマナーなど、食事については厳しく注意していましたね。そうするとだんだん息子たちが嫌な顔をするようになって、一緒にご飯を食べることを嫌がりだしたので、これはよくないなと思い......そこからは少しぐらいこぼしても注意しないようにしました。そうしたら、笑顔で食べてくれるようになったのでよかったです。僕自身の考えで、しつけをしすぎるのもよくないなと学びました。


 親が子どもをしつけるように、子どもが教えてくれることもあるんですよね。子どもは先生です! 子どもは親を見て育つと言いますけど、親も子どもを見て育ちます。お互いが学べることは吸収し合う。僕が頑張っているときちんと姿は見てくれているし、それと同じようにサボっている姿も見ている。

 うちの息子は厳しいんですよ......。ふくらはぎの肉離れをしたときに、いつもしているジョギングを休んでいたんです。そうしたら、『パパ、お腹がやばいよ』って息子に指摘されて。息子からチェックが入るんですよ。周りの44歳を見てみろよって思うんですけどね(笑)。でも、息子からの指摘は励みにもなります! 子どもはしっかり見ていますよね」


 仲良し親子の佐藤家で唯一の女性であるママとは、どんな役割分担があるのですか!?

「特にきちんと役割が決まっているわけではありませんが、ママが叱っているときは、僕は叱らないようにしています。子どもたちの逃げ場は必ず確保しておきますね。ふたり同時に叱ると、子どもは萎縮しちゃいますし、そうすると子どもらしくなくなっちゃうと思うので。ママが言ってダメなときは、バトンタッチするという感じです。叱られることも失敗することも、子どもたちの経験になると思うんです。ママは唯一の女性なんですけど、男の子がふたりもいると『おまえ、いいかげんにしろ~』と、男勝りな声で叱っているときもありますよ(笑)。

 役割分担ではありませんが、子どもたちを過剰に心配することもしないようにしています。

『らくがきっ子体操クラブ』という体操指導をしているのですが、擦り傷や打撲、捻挫も時々起こりますが、子どもがケガをすることに敏感になりすぎている親が多いと感じることもあります。そういう親御さんたいしては、『そんなに心配でしたらスポーツ教室には通わない方がいいですよ』と言うこともあります。練習や試合でたとえケガをしても、自分で痛みを知れば人の痛みを理解できるようになるし、思いやりが持てるようになると思うんです。


 授業参観に来てほしくないとか、子ども側も親を煙たがるときがあるみたいですね。僕も息子の授業参観にはいきますが、教室で息子と目があうと手を振るんです。きちんと返してくれるので、とても嬉しいです。実は時々、一緒にトレーニングもしているんです。息子たちは野球を一生懸命頑張っているので、週末の野球のスケジュールに合わせて家族の生活スタイルを作っています。5:30に起きて、一緒に朝のトレーニングを30分ぐらいして、朝ご飯食べて、子どもたちは少し予習や復習をしてから学校に送り出します。仕事で一緒にできないときもありますが、僕もできるかぎり子どもたちのリズムに合わせて行動しています。なので、仕事の移動中がゆっくり寝られる時間です(笑)」

 佐藤家流の子育てスタイルが印象的ですが、どのようにそのスタイルはできたのでしょうか!? 育児書から得た情報などを参考にしたりすることはあまりないのだそうです。

「育児に関しての情報を見たり聞いたりすることはありますが、実際それを活かせるかどうかは自分次第というか。僕自身、いろんなところから得た情報は、あくまでも一例という認識をしています。それを自分なりに理解して実践することがあってもいいと思いますが、それがすべてではないと思います。子育てには正解がないし、教科書もないと思うんです。

 僕たち親がやらなきゃいけないことは『しつけ』。そのしつけというのは子どもを自立させることだと考えています。昔はお父さんとお母さんが厳しくて、おじいちゃんとおばあちゃんが優しくフォローするという子育てスタイルがあったと思うんですけど、今はお父さんとお母さんが優しすぎて、おじいちゃんおばあちゃんが厳しくなっているのではないでしょうか。ケガをさせないように、大きな失敗をさせないように、親が守りすぎている部分がありますよね。だけど、ケガをすることも失敗をすることも、ひとつひとつが子どもたちの経験として、その後に活かされてくると思います。なんで失敗をしたのか、今は理解ができなくても、大人になって気づくこともありますよね。自分の考えに縛られるのではなく、子どもとともに成長する、少し気持ちに余裕を持って接することが大切なのではないでしょうか」

 イベントで出会った子どもたちとのエピソードを話すときの笑顔がとても輝いていました。


Profile
1993年NHKおかあさんといっしょオーディションに合格。同年4月よりNHK「おかあさんといっしょ」第10代目体操のお兄さんとして、体操のコーナーだけでなく、イベント、歌のクリップなどで、12年間活躍した。子供たちと指導者のためのスポーツクラブ「エスアールシーカンパニー」を立ち上げ、全国で親子体操教室や幼児体操教室、保育士講習会などを行いながら、バラエティー番組や情報番組、CM、舞台、イベントなどに数多く出演。親子のための体操やCM用等のオリジナル体操を考案するなど多方面で活躍中。
オフィシャルブログ: http://ameblo.jp/sato-hiromichi/

撮影/田中秀典 ヘアメイク/小林成江(G・FORCE)





大きな箱にはどんなプレゼントが入っているの!?

人気の仕掛け絵本に待望の新作が登場! 今回はペネロペの誕生日会がテーマ。大好きなお友達を呼んでパーティがはじまったよ。ボール投げをしたり、かくれんぼをしたり......誕生日は楽しいね。みんなもペネロペをお祝いしてね。


「ハッピーバースデー、ペネロペ!」
アン・グットマン/文 ゲオルグ・ハレンスレーベン/絵 ひがしかずこ/訳
価格:1,995円(税込)
発行:岩崎書店