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フレンチスタイル

マルシェの国フランス Vol.1

Date:2013.01.15

 マルシェとは「市場」のこと。野菜のマルシェ、お花のマルシェ、骨董市など......フランスには多くのマルシェが存在しています。そのなかでも、今回はスーパーマーケットの役割も担っているマルシェについてお話します。



『マルシェ・デ・アンファン・ルージュ』は、日曜日の朝早くだと混雑することなく、ゆっくり見ることができます。平日昼ともなると周りのオフィスから一気に人がやってきて席を取るのもひと苦労です。

 フランスはマルシェの国です。どの地域でも青空マルシェや常設マルシェがあり、新鮮な野菜や肉、魚、チーズ、パン、お惣菜などを安く買うことができます。

 マルシェは地域に根ざし、パリ市の全20区で現在69の屋外マルシェと13の室内マルシェがあります。パリのサイズは山手線の内側とほぼ同じといわれていますが、その中に82ものマルシェが点在しているので、どのエリアでも家から15分も歩けば最寄りのマルシェにたどり着くことができるぐらいです。

 各マルシェの開催日は、平日に1~2回と週末1回が一般的。開催日はそれぞれ異なりますが、パリ全体で見れば毎日どこかしらのマルシェが開催されているという感じです。

 時間帯は、屋外のマルシェは平日開催で7:00~14:30、土日開催は7:00~15:00が一般的です。多くの室内マルシェの営業時間は、火~土曜日までは1日中、日曜日は午前中のみ。月曜日はお休みです。

 新鮮なものを選りすぐるのであれば、朝一番に行くのがベストですが、終了間際に行くと、おまけをつけてくれたり、さらに安くしてくれたりといったメリットもあります。日本のスーパーの値引きセールに似ていますね。
 値段表示は1kgでいくらという単位なので、100g単位で売っている日本のスーパーの感覚からすると驚きの重量感です。


青空市場の『マルシェ・アリーグル』には、色とりどりの新鮮野菜が並んでいます。とてもおいしそうです。

 フランス人の友人であるモニックは、日本のスーパーに行ったとき、値段表示が100g単位で小さな袋に入っていることにとても衝撃を受けたそうです。というのも、フランスではスーパーで野菜を買うときも欲しい食材を自分で袋につめる量り売りが一般的。にんじんやじゃがいものパック売りもありますが、1kg包装なのでかなりボリュームがあります。

 マルシェの歴史は古く、中世にまでさかのぼるといわれています。パリの常設マルシェで一番古いのは『Marche des enfants rouge(マルシェ・デ・アンファン・ルージュ)』です。「赤い子供たちのマルシェ」という意味があります。当時マルシェの隣にキリスト教の修道孤児院があり、その子供たちが赤い服を着ていたことから名づけられたそうです。
 このマルシェは、1615年にルイ13世統治下の大臣によって、北マレと呼ばれるエリアに作られました。その後一時閉鎖され、2000年にリニューアルオープン。現在では、新鮮な食材はもちろんのこと、フレンチをはじめ、モロッコのクスクスや和食など多国籍の軽食・レストランが軒を連ね、マレの人気スポットとなっています。


フランスは農業大国でもあるので、こんなにたくさん玉ねぎやじゃがいもの種類があります。

 そして、バスティーユ近くに位置し、常設市場の『Marche Beauvau(マルシェ・ボーボー)』とアリーグル広場の青空マルシェのふたつのパートからなっている『Marche Aligre(マルシェ・アリーグル)』も人気のマルシェです。

 地元住民から圧倒的な支持を集めているマルシェでもあるのですが、その理由は野菜やフルーツがとても安く購入できることにあります。さらに種類も豊富で、季節ごとの食材も充実しています。
とても明るく陽気な雰囲気なので、観光客でもふらっと立ち寄ることができるのも魅力のひとつ。食材を購入したら、雑貨を見るのもオススメです。アンティークの掘り出し物に出会うかもしれません。


左)日本ではあまり見かけないアーティチョークも!外側の緑の部分をむき中の花芯を食べます。 中央)『マルシェ・アリーグル』の常設市場内。碁盤の目上に区画された場内には、おもに肉、魚、チーズやお惣菜屋さんが。 右)地元の人に混じってマルシェを楽しむのもオススメの観光です。


 フランスがマルシェの国といえども、スーパーマーケットは存在しています。マルシェは毎日開催でないところが多いうえに、昼過ぎには閉まってしまうので、仕事をしながら通うにはスケジュール的に難しいことも。ですので、週末開催のマルシェで新鮮野菜を安く買いだめしつつ、平日は近くのスーパーでと、スーパーとマルシェを使い分けしている人が多いそうです。

 というのも、基本的にフランスでは、休みを日曜日に設定しているお店が多く、スーパーも例外ではありません。一部のチェーン店を除いては閉まっているため、平日はスーパーで、週末はマルシェでというスタイルが一般的なようです。

 そして、フランスには近代的な冷凍食品専門スーパーもあります。温めるだけの食品はもちろんですが、冷凍野菜が人気なのだとか。下味などはついておらず、どんなお料理にも使えるので、仕事などで忙しいときに、すぐ調理に取り掛かれるということでヒットしているそうです。

 フランス人の生活と切っても切れない関係にあるマルシェ。そのマルシェのなかでも、最近注目を集めているのがビオマルシェです。次回はそのビオマルシェについてお話します。


左)無駄のないモダンな作りが印象的な、冷凍食品専門のスーパーマーケット。 中央)ワインを日常的に飲むので、スーパーのワインコーナーはとにかく広い!売り場は、この写真のさらに3倍ほどあります。 右)スーパーの野菜は量り売りが基本なので、好きな分だけ袋に詰める方式です。


【DATA】


『Marche des enfants rouge(マルシェ・デ・アンファン・ルージュ)』
住所:39 Rue de Bretagne, 75003 Paris,
営業時間:
火~木 8:30~19:30
金~土 8:30~20:00
日 8:30~14:00
休み:月
最寄り駅:Fills du Calvaire、St-Sébastien Froissart(8番線)

『Marche Aligre(マルシェ・アリーグル)』
住所:Place d' Aligre 75012 Paris
最寄り駅:Ledru Rollin(8番線)
営業時間:
火~金 9:00~13:00 16:00~19:30
土 9:00~13:00 15:30~19:30
日 9:00~13:30
休み:月

★パリ市のサイト(マルシェ情報が掲載されています)
http://www.paris.fr/marches