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フレンチスタイル

マルシェの国フランス Vol.2

Date:2013.01.22

 前回に引き続きマルシェの話題をお届けします。健康志向が広がりつつあるフランスで、日本ではあまり聞きなれない「Bio」という食材が話題になっています。今回はその「Bio」を取り扱ったマルシェについてお話したいと思います。



 現在のフランスでは、健康志向が高まりを見せており、その流れで年齢を問わず人気を集めているのがビオ食材です。

 以前、「ママたちのタイムスケジュール」に登場していただいた、ベアトリスやレアからも子どもたちの健康のためにビオ食品を積極的に取り入れているという話がありました。

 では、このビオとはどのような食材なのでしょうか!?


ビオマークだらけのマルシェ。野菜だけでなくチーズやソーセージ、お惣菜だって全部ビオなのです。

「Bio」というのはAgriculture Biologique(アグリカルチャー・ビオロジック)の略で、有機栽培・食品のことを差しています。有機栽培を認証されたABラベル(Agriculture Biologiqueの略称)が目印です。日本でも認知を高めている、オーガニック食材と近いかもしれません。

 日本では、80年代頃からはじまった有機栽培・食品が、近年の健康ブームにつながったともいわれていますが、フランスでも同じ流れが起きているそうです。

 ニュース番組では、化学農法の弊害などの特集が組まれることも多々あり、子どもがいる家庭は子どもの健康を考えてと、ビオ食品に切り替えている家庭が増えているそうです。 
東京の友人が週に1回減農薬の産地直送サービスを利用しているという話をしたとき、フランス人は目を輝かせながら聞いていました。子どもを持つママたちだけではなく、若者たちもビオ食品に興味を持っています。


 前回、パリには69の屋外マルシェがあるとお伝えしましたが、そのうちの『Marche Specialise biologique Raspail(マルシェ・スペシャリズ・ビオロジック・ラスパイユ)』、『Marche biologique batignolles(マルシェ・ビオロジック・バティニョ-ル)』、『Marche biologique brancusi(マルシェ・ビオロジック・ブランキュシ)』の3つはビオマルシェです。

 なかでもラスパイユはパリ最大のビオマルシェです。
 ラスパイユ駅周辺で開かれているもので、地元の人からも信頼されるほど、高品質の食材が並んでいるそうです。
 ここでは無農薬・有機栽培の食品だけでなく、有機栽培の加工食品や化粧品なども買うことができます。今のフランスを象徴しているマルシェなので、お土産を買うのにもぴったりです。

 バティニョ-ルとブランキュシのマルシェは土曜日だけの開催なので、そこへ出店しているお店が日曜日にはラスパイユのマルシェに出店していることもあるそうです。


パリに数多くあるビオスーパー。その名も『ナチュラリア』。とてもわかりやすくキャッチーなネーミング!


 ビオ食材に注目が集まっている今、マルシェだけではなくビオスーパーの需要も高まっているそうです。

 鮮度でいえば、断然マルシェ! とはいえ、マルシェは毎日開催されているわけではなく、基本的には7:00~15:00と早い時間に終わってしまうため、行けないこともあります。そこで、営業時間が長く、店舗数も多いビオスーパーを日常的に利用する人が増えているのです。


 ビオスーパーはパリのいたるところにあり、メジャーなのはチェーン展開をしている『NATURALIA(ナチュラリア)』。生鮮食品だけでなくお惣菜やワイン、化粧品やシャンプー、ヘアカラー剤までそろっています。オーガニックコスメ好きは興奮すること間違いなしの充実したラインナップです。


生鮮食品や乾物、ワイン、ドライフルーツなど、ビオ食品がたくさん! 子ども向けのビオ料理のレシピ本やビオ靴下もあります。


化粧品やシャンプー、ヘアカラーリング剤もあるので、オーガニックコスメ好きにはたまりません。

 また、お惣菜やお菓子コーナーではビオ食品はもちろんですが、ベジタリアン向けに大豆を使用したハンバーグやコロッケを、アレルギーの人向けにグルテンを含まないパンなどがあります。ビオから発展させた専門的なラインナップも、利用者が増えている要因のひとつです。

 最近では、一般的なスーパーでもビオ食品を取り扱うところが増えているそうです。流行に敏感なマレ地区には、手軽に利用できるビオのジューススタンドがあります。ビオ野菜を使ったフレッシュジュースが飲めるとあって、おしゃれなパリジャンの人気スポットになりつつあるのだとか。鮮やかな新鮮野菜の生絞りジュースはとてもおいしそうで、ついつい引き寄せられてしまいますね。



 昔からフランスに存在しているマルシェ。健康ブームと共に、ビオ専門のお店が増え、改めてマルシェへの関心が高まっているようです。



 最後に、マルシェやスーパーに行く場合は、エコバックを忘れずに。袋を用意しているマルシェやスーパーは少なく、置いてあっても有料のお店が多いです。フランスでの食品の買出しには、エコバックが欠かせません。


左)最近では、一般のスーパーでもビオアイテムが並んでいます。野菜やお菓子、ワインなどがあります。 中央左、中央右)ベジタリアン向けに肉の代わりに大豆を用いたハンバーグやコロッケ、アレルギーの人向けにグルテンを含まないパンなども展開。 右)日本でも見かけるようになった『Marche de Noel(マルシェ・ド・ノエル)』は、クリスマスシーズンの目玉になる特別市です。


【DATA】


『Marche Specialise biologique Raspail(マルシェ・スペシャリズ・ビオロジック・ラスパイユ)』
住所:Boulevard Raspail entre les rues du Cherche-Midi et de Rennes 75006 Paris
最寄り駅:Rennes(12番線)
営業時間:9:00~15:00(日曜のみ)

『Marche biologique batignolles(マルシェ・ビオロジック・バティニョ-ル)』
住所:34 boulevard des Batignolles 75017 Paris
最寄り駅:Rome(2号線)
営業時間:9:00~15:00(土曜のみ)

『Marche biologique brancusi(マルシェ・ビオロジック・ブランキュシ)』
住所:Place Constantin Brancusi 75014 Paris
最寄り駅:Gaite(13号線)
営業時間:9:00~15:00(土曜のみ)

『NATURALIA(ナチュラリア)』
パリ全土でチェーン展開しています。
http://www.naturalia.fr

★パリ市のサイト(マルシェ情報が掲載されています)
http://www.paris.fr/marches