ペネロペカフェ

ペネロペ公式サイトへ

ママパパライフ

フランスの習い事と学童 Vol.1

Date:2012.12.25

 日本では、幼い頃からの習い事をはじめる家庭が増えています。共働きの家庭も増え、学童のシステムも多様化。では、フランスの習い事や学童にはどんな特徴があるのでしょうか!? 日本とは違う一面も見えてきます。


市主催の体操教室の風景。専用の教室ではなく、バスケットコートの一角を使って行われていました。

 日本では早いと3歳から英語や水泳、音楽などの習い事をスタートさせる家庭もありますが、フランスでのスタートはもう少し遅め。また習い事の内容も異なる部分があります。

 現在、フランスの幼稚園や小学校の休日は、土日プラス水曜日。水曜日はアクティビティと呼ばれ、習い事をする日となっているのです。ただ、来年度からは法律が変わり、水曜日の半日は授業になります。各自治体でも異なりますが、パリでは午前中が授業にあてられるとのこと。法律改正の背景には、休暇過多で授業のカリキュラムを消化しきれないことや、深刻な学力低下が起こったためです。それらの問題の解決策のため、半日授業が導入されます。


 では、習い事の日であるアクティビティでは、どんなことをしているのでしょうか!?


 ふたつのプログラムを受講させている家庭が多いようです。はじめる年齢は内容にもよりますが、柔道や合気道、空手などの武術で5歳くらいから。水泳、サッカーなどは6~7歳から、ピアノは7~8歳からというのが一般的だそう。

 フランスで柔道などの武術という習い事が人気というのも不思議な感じがしますが、柔道の競技人口は日本の20万人に対して、フランスは80万人。まさに柔道大国! オリンピックや世界選手権などの世界大会でも、フランス人がメダルを獲得するシーンがよく見られます。
また、水泳やバスケ、サッカーなどの競技の多くは、安全上の問題で登録年齢を6~7歳以上を推奨しているため、早期ではじめるには武術しかないといった事情もあります。


パリは小さい街なので、スポーツセンターもかなり小規模。こちらにはプールとスケートリンクがあり、少し豪華な作りです。

 なぜ、フランスではアクティビティという習い事をする日が設けられているかというと......日本やアメリカのような学校内でのクラブ活動というものがフランスにはありません。そういったことから、日本では部活動として取り入れられる、バスケやバレーボールなども習い事のひとつになるのです。

 男の子に人気なのは、水泳・音楽・サッカー・バスケ・バレーボール。女の子にはダンスが人気です。

 男の子に人気がある水泳。実はパリの学校のほとんどにはプールがありません。日本では、水泳は体育の授業に組み込まれていますが、プールがある学校が稀なパリでは、学校ではなく区民プールで授業をするのだとか。
フランスと日本での習い事の違いには、学校のシステムの違いからくるものもあるようです。



 スポーツ以外の習い事では、言語プログラムも充実しているそうです。


日本で外国語といえば英語。最近では1歳に満たない頃から習わせている家庭もおおいようですね。ただ、フランスは移民大国。フランス以外の国籍を持つ家庭が多いため、第二言語には親の母語を習うというのが多いようです。

 そこで、言語プログラムに通っているニコラスさんの家庭を取材させていただきました。

ニコラパパはフランスと日本のハーフ。フランスで生まれ育ったため、日本語を話すことができません。そのぶん息子のナルシス(5歳)には、日本語も話せるようになってもらいたいという思いがあり、水曜日の午前中に日本語のレッスンを行っているそうです。


 こういった言語プログラムには、市主催と完全に私立のものがあります。ナルシスは私立。個人レッスンを受けているそうです。市主催のものには、ナルシスが通えるような子供向けのコースがあるプログラムがなかなかないのだとか。

 とはいえ、人気があるのは市主催のプログラム。毎年8月後半になると、各コースの内容や募集要項をまとめた冊子が市役所などでもらうことができ、9月の新学期の時期に合わせて1年単位(といってもフランスの長いバカンスを含むため実質は8ヶ月程度)で申し込みます。
 
 市主催のプログラムは、私立に比べて金額的にかなり安く、また内容もいいと評判。それが人気の秘密。


市主催のプログラムには、アイスホッケーやフィギュアスケートのレッスンも。競技スケートというよりは、カジュアルな印象。

 申し込みがはじまる9月には、先着順の募集になんとか入ろうと、受付開始よりもかなり早い時間から長蛇の列ができるプログラムもあるほど。募集開始時期がずれた今から申し込みをすると、各施設で行っているレッスンは取れますが、やはり9月の募集に比べると割高になってしまうそうです。

 ナルシスは父のもうひとつのルーツである日本について興味深々で、日本語を楽しく学ぶことができているそうです。もしかしたら、日本語が話せないニコラパパに、ナルシスが日本語を教える日がくるかもしれませんね。


 次回も習い事について、そして学童システムについても詳しくお話します。